先週、チュッパと小児科に行った時の出来事です。

「点滴したくない~!!」

ってずっと泣いてる5歳くらいの男の子がいたんですよ。


床に座り込んでもう「絶っっ対に動かないぞボクは!!」という強い意志が感じられました。

もはや「座り込みデモ」の様相を呈しています。


お母さんがひとりで必死に説得していましたが、全く動かず。

お父さんも一緒に来ていたのですが、少し離れたところからオロオロ見守るだけでした。



ついにお母さん、ブチ切れます。

「(子に対して)ママだって、我慢してるんだから!!!」
「(お父さんに対して)あんたも何で手伝ってくれないのよ!!!」

って、待合室全体に聞こえるような大きな声だったので、かなり怒っている様子が伝わりました。


でも私、すぐにわかったんですよ。

このお母さん、怒ってるんじゃなくて、本当は泣きたいんじゃないかな、って。

私も、同じような状況が何度もあったので。


お母さんの表情を見ると、とっても疲れている様子でした。

状況から察するに、たぶん何日も前からお子さんの看病や病院の付き添いで、べったり付きっきりだったのだと思います。


「私だって我慢してるんだから!!」「何で手伝ってくれないの!?」という言葉は、本当は

「もう限界!!お願いだから、誰か助けて!!」


っていう、切実なSOSなんですよ。


怒ってるというより、悲しいんです。泣きたいんです。


私もすごく追い詰められている時は、家では同じようなセリフ、よく言ってしまうんです。

「何で私ばっかり我慢しなくちゃいけないの!?」
「こんな生活、もう嫌だ!!」

…って。
(「言う」というより「叫ぶ」ですしね…)


ただ、家の中では言う(叫ぶ)ものの、外出先では我慢するんですよ。

一応、人目があるので。

言いかえれば、育児ストレス限界レベルが「外出先ではなんとか抑えきれる程度(レベル4)」ということです。

でも、この小児科のお母さんを含め、外出先でも子供にブチ切れて、大声で怒鳴ったりしているお母さん、時々いますよね。

そういうお母さんは、おそらく育児ストレス限界レベルが「外出先でも抑えきれない程度(レベルMAX)」まで達しているんだと思うのですよ。


毎日一人で頑張って頑張って頑張って、もう本当に限界の限界の限界で、

「お願いだから誰か助けて!!」

という限界超えの状態です。


ごく稀に、日常的に虐待している親(そのことに自覚も罪悪感もない最悪のパターン)という場合もあると思いますが、そういうのはわりと稀なケースだと感じます。

ほとんどの親は、子供のために精一杯頑張って頑張って頑張って、その結果ストレスを抑えきれなくなってしまう場合が多いんじゃないかと。



この、小児科で怒鳴っていたお母さんも、たぶんもう限界を通り越すくらい、ずっと一人で頑張ってきたんだな、と思いました。

…というのも私の勝手な想像ですし、事の経緯は全くわからないんですが、何となくそんな気がしたんです。


もうそのしんどさが、痛いくらいに伝わってきて。


その後、お母さんは疲れ果て、途方に暮れた様子でイスに座っていました。

男の子は相変わらず泣いてヤダヤダしながら、座り込みデモ続行中です。

看護士さんが説得しても、無駄。断固拒否。


私に何か手伝えることはないだろうか!?

とずっと迷っていたのですが、意を決して参戦することにしました。

捨て身のギャグ()で、男の子の興味を引こう、気分を変えよう、と色々やってみたんですよ。


でも男の子、

「だれ?このオバサン」


って感じできょとーんとしていましたね(笑)


やっべぇぇ!!すべった!!

と思った私は、いったん引っこんで自分の陣地(イス)に戻りました。

(看護士さんは「グッジョブ!」みたいな顔してくれましたが)


普段自分から知らない人や子供に声かけたりするタイプじゃないのに、無理して絡んでいったからこんな恥ずかしいことなったのだ…余計なお世話だったかな…とちょっと後悔しました。



すると、男の子のお母さんが、泣きながら私のところに来て下さったのです。


泣きながら、私に「ありがとうございます」って、頭を下げられたのですよ。


ついさっきまでブチ切れて怒鳴っていたお母さんが、ボロボロ涙を流しながら、

「ありがとうございます」

って、たいして役にも立てなかった私に、深々と頭を下げられたのです。


あぁやっぱり、このお母さん泣きたかったんだ。

泣きたくなるくらい、限界を超えて頑張ってたんだ、と思いました。


私も思わず立ち上がって、「いえいえ、お母さんこそ、お疲れ様です」と頭を下げ返したら、私まで涙が出てきました。

自分もこのお母さんと同じような状況がたくさんあったこと、今でも泣きたくなる日がたくさんあるということを、色々思い出してしまって、他人事とは思えなかったのです。


お母さんは泣きながら、何度も何度も、「ありがとうございます」と深く頭を下げられました。

私は、いつも人に助けられるばかりのダメな人間で、誰かに泣きながらお礼を言われるなんて初めてだったし、めちゃくちゃすべってピエロみたいだったのに、こんなに感謝されていいのかな、と思いながらも「もしかして少しはお母さんの助けになれたのかな」と思ったら嬉しくて、ますます泣けてきました。



その後、2人で泣きながら「大変ですよね」「しんどいけどお互い頑張りましょうね」みたいな会話を少しだけして、お母さんは診察室へ。

私はもうチュッパの診察が終わっていて会計待ちだったので、その後会計して帰りました。


帰る頃には男の子はまだ座り込んでいましたが、泣きやんで、だいぶ落ち着いた様子でお父さんと一緒にいました。

その後、無事に点滴できたかな?と気がかりですが、あのかわいい男の子が、もうすっかり元気になっていることを願っています。


そして、あのお母さんも、どうか元気でありますように。

少しゆっくり、休める時間が取れているといいな…と、密かに念力を送り続けています。


私は絶望的に人の顔を覚えられないので、どこかですれ違っても気付かないと思います。

でも、私の心の中では勝手に「戦友」だと思っています(笑)




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